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カレッジマネジメント【195】 2015 特集 都市部を目指す大学Ⅱ 「加速する、都市部へのキャンパス再配置」 寺裏誠司

高度成長を背景とした人口ボーナス期に、多くの大学は拡大路線をとる一方で、工場等制限法の影響もあり、広大な敷地を必要とするキャンパスは郊外を目指すこととなった。しかし、1992年をピークに18歳人口は減少に転じた。2002年に規制改革の一環として、工場等制限法が廃止されると、それを契機に大学が都心部を目指すようになった。キャンパス移転・再配置の目的は、学生募集力の強化であったり、1・2年生と3・4年生で分断されていた教育を一貫させるためのものであったりと様々である。ただ、キャンパス移転・再配置の動向を見ていると一定の傾向があることが分かる。多くの大学は、文系学部を都市型キャンパスに集約する一方、理系学部やスポーツ系、医療系といった資格取得が仕事に直結する学部については郊外型に残している。違う見方をすると、資格取得を要件とせず、学習成果が明確でない文系学部については、交通の便の良い都市型キャンパスで魅力付けをして、来るべき人口減少に向け募集力強化のテコ入れを図るという見方もできる。
2010年の「都市部を目指す大学」特集では、1970年代から90年代にかけて郊外型キャンパスを開設した大学の間で、2000年から2009年にかけて都市部に回帰する動きが活発化していることが報告されている。特に、郊外キャンパスで学んでいた1・2年生を都市部に戻し、4年間一貫教育を行って教育効果を上げようという動きが目立っている事例を紹介した。
今回の特集では、2010年以降の5年間の首都圏・中京圏・近畿圏の大学のキャンパス再配置に焦点を絞り報告を行う。1章では、各地区における都市部の収容定員の推移を見ながら、学生数がどの程度都市部に動いているかを分析する。さらに、実際に行われた移転の動きから傾向を分析する。2章では、近年の5年間にキャンパスを再配置した大学事例と志願者の動向を追いかける。3章では、今後行われる予定のキャンパス再配置計画についてまとめた。最後に4章では、キャンパス再配置の留意ポイントについて解説する。

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