【論文】大学組織のモチベーション・マネジメント

  1. 大学組織の現状と課題
    • 大学を取り巻く環境

大学を取り巻く環境は、今後急激な変化を伴い、大きな外圧となることが予測される。大学の入口、出口中身、国の政策の4つ視点で説明をする。

(1)入口のマーケット環境

18歳人口は、1992年の206万人から2009年に121万人と4割減となった。国立社会保障・人口問題研究所の日本の年齢別将来推計人口(2012年1月推計 出生低位(死亡低位)推計)によると、2016年頃までは、人口の大陸棚が続き約120万人で推移。しかし、その後人口減が進み、2050年には60万人に半減、2083年には30万人、2100年には21万人へと急減。その減少の幅は90年間で8割減という予測がなされている。(図1)

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ところが、多くの大学経営者の危機感は薄い。2016年頃までは人口減少が起きないため、募集危機は遠い将来のように捉えているからだ。ここで、大学の改革の成果が外部から見ても明らかになるために要する期間について考えてみる。第一に改革計画を立て改革実施までの期間を要する。第二に入学生が4年間の教育を受け卒業するまでの期間を要する。第三に卒業生が社会から評価を受けるまでの期間を要する。これらを換算すると改革成果が現れるまで少なくとも7年程度かかることとなる。大幅な人口減少が始まる2016年まで後3年しかないため、今年改革を検討しはじめても外部評価があがるころには人口減の真っただ中ということとなる。また、現在20代の教職員が、大学の要職に就くであろう2040年~2050年には、60万人と人口が半減している。大学の収容力が約60万人であることを前提とすると、高卒大学進学率が大幅に増加するか、18歳以外の多様な年齢層が大学に進学するか、留学生を多数受け入れている状態にならなければ多くの大学は淘汰され多くの教職員が失業することとなる。

各大学のこれまでの取り組みとしては、学生募集の強化、就職力を高め大学の魅力を高める、学部・学科を募集ニーズにマーケット・インする方向で再編する(寺裏2008、2010)などの改革を行ってきた。しかし、2020年以降の急激な18歳人口減少に対応するためには、従前の改革レベルで乗り切れるものではないだろう。

 

(2)出口の就職に関する環境

グローバル化が進展していく中で、各企業が求める人材像の変化を独立行政法人 労働政策研究・研修機構(2011)の調査結果からまとめる。調査によると、企業が求める人材の質は、チームワーク型人材からリーダシップ型人材に重点が変化していることが分かる。言われたことを着実に行動に移せる兵隊型の人材ニーズからモチベーション高く主体的に課題を解決するために行動できる人材ニーズへと質が変化してきている。

しかし、産経新聞社と駿台教育研究所(2012)の調査結果によると、企業などの人材ニーズの質が変化しているにも関わらず大学の認識は異なっている。

つまり、大学の課題認識が適切でないため、企業など社会が求める人材ニーズの変化に対して大学の教育の質の変化は現在も追いついていないし、今後も追いついていかないという懸念がうまれる。そもそも大学進学率が低く大学に進学できること自体が主体性と行動力を伴っていていなければ難しかった時代の大学教育の在り方と、大学進学率が50%となってユニバーサル化している現在の大学教育の在り方は違って当然である。多様な学生が入学している現在、モチベーション高く主体的に課題を解決するために行動できる人材に育成するための大学教育はどう在るべきなのかがまさに問われているのだ。しかし、専門知識を大教室で一方的に伝達するだけの講義、つまり自ら学び成長するのが当然と放置している講義がいまだに一般的なのが大学教育の課題なのである。

 

(3)中身の教育の環境

The Open University[1],edX[2],Coursera[3],Udacity[4],Khan Academy[5]に代表されるINTERNET EDUCATIONの進化がある。

世界トップクラスの大学の一流の教員の講義が無料でWEBを通じて受講でき、履修証明、卒業資格を得ることができる仕組みの高等教育が急激なスピードで世界に拡がっている。加えて、まもなく完成度があがる自動通訳機能は、高等教育の距離と言語の壁を打ち破る。

教育システムにおけるこの大きな機能変化は、日本の旧来型の大学教育の在り方を変革せざるを得ない外圧として最も大きなものになるのかもしれない。日本の一般的な大学教員による一方通行のつまらない授業を4年間も受講し、高額の授業料を支払ったにもかかわらず世界に通用しない大学卒業資格を得るのか、世界トップクラスの教員の興味あふれる講義がいつでもどこでも無料で受講でき、一流の世界各国の大学生と教員と共にWEB上で議論し学びを深め、世界一流教育の履修証明および単位取得、そして学位認証がなされることとを比較した場合、これからの世代の若者はどちらの進学先を選ぶのだろう。そして企業は、どちらの教育を受けた学生を採用するのだろう。すでにINTERNET EDUCATIONの恩恵を受けているのはアメリカを代表とする欧米先進国と途上国の若者である。そして今後の世界を牽引していく国家は、若者を多く抱えた途上国である。ICTの進化ととともにグローバル化が急速に進展していき、INTERNET EDUCATIONで学び成長した有能で多様な国籍の人材が協働していく社会が当たり前になってくる。世界が急激に変わってくる中で、日本の知識伝授型に偏った従前の教育では、グローバル社会で活躍できる人材が輩出できるとはとても思えない。

世界そして社会が求める人材ニーズに合致する教育とは何か。効果の高い教育の在り方は何か。先を見据え、抜本的に教育の変革を進める力がない大学は世界的な外圧に容赦なく打ちのめされるであろう。

 

(4)大学の運営を左右する行政政策の方向性

設置認可の厳格化、第三者評価による質の担保の強化、助成金の削減など大学を取り巻く環境は、どれをとっても厳しいもので、大きな変革を推進できる組織体でなければ行政からの圧力にともなう淘汰から逃れることはできないであろう。

以上のように大学は、入り口、中身、出口、行政などを取り巻く環境からの圧力が急激に加わることとなり、従前の改革レベル、スピードでは、環境の変化に対応ができない

<脚注>

[1] 1970年代に設立されたイギリス最大のオープン・ユニバーシティ。受講料有料。6004以上のコースを展開オンライン教育のみで学位取得可能。

[2] ハーバード大学とMITが共同出資し2012年に設立されたオンライン教育システム。順次各国のトップクラスの大学が参入。受講料無料。終了証明書を取得可能。

[3] スタンフォード、プリンストン、ペンシルベニア、コロンビア大学など世界トップクラスの大学33校が参加し200以上の何オンライン講義を無料で提供。170万人が受講。

[4] スタンフォード大学教授であるグーグルの技術者が創設。低コスト講義を提供し優秀な学生を企業に紹介し仲介手数料を収入とする。

[5] 数学・科学などを中心とした3500本のビデオ講義を無料で提供。

1.2.大学の組織・人における課題

大学を取り巻く環境が急激に変化するため大きな外圧として大学変革を促すが、変革を決定・実行するのは組織や人の力である。現状の大学の組織や人の課題はどこにあるのかについて以下に説明する。

(1)組織における課題

大学組織は、法人組織、教学組織、事務局組織、センター・研究所等の附属組織で構成され、ガバナンスは各校様々である。総じて法人組織と事務局組織単体としては、企業組織同様にガバナンスが明確である場合が多い。しかし、教学組織は、学長をトップとしたガバナンス体制を強化しているものの学部自治の歴史的背景があるなかで有効にガバナンスが機能しないという課題を内包している。大学行政の責任者を選挙で選ぶ方式では大きな改革を断行することは困難を伴う。また、船頭多く、合議制のガバナンス体制では改革案を決断することは困難であるし、決断できても実行に移す難易度は高いと思われる。また、各学科、研究室、教員単位で個別の事業主が如く自由でバラバラの方向性を持っている。個別最適を最重視し大学としての全体最適を無視するという風土体質は、外部の視点から奇異に映る。

組織ごとのガバナンスがあいまいであるという課題以上に大きな課題は、大学組織全体としてのガバナンスが機能していないことである。法人と大学、教学と事務局の軋轢、学部間の不和、事務局組織間が縦割りで情報が共有されないなど組織間の機能不全という問題だけでなく、教員と職員との垣根、教員同士の不信感など組織人としての信頼関係が築けないという意識的な問題が組織の不幸をもたらしている大学も多くみられる。また、理事会、教授会などの議決事項は書類などを通じて共有されるもののその背景や意味・意義などが共有される場そのものがない。各会議体、委員会などの場は設けられているものの、全体で集まる場がない。情報の双方向性はなく、一方通行の伝達か、あるいは全くなされないかのどちらかである。特に教学組織においては学部間情報伝達機能不全、教授と教授以外の教員および非常勤教員の情報の伝達機能不全が起こっており同じ組織に属しているものの情報格差が大きいという課題がある。

これらの組織機能不全は、大学を取り巻く環境が急激に変化していく中で、一丸となって大学改革の推進スピードを上げなければならない時に大きなブレーキとなる。

 

(2)人における課題

次に、大学の教員採用および大学教育へ意識について、多様だが以下の課題を提示する。

大学機能としては、研究、教育、社会貢献の3つの機能があり、その機能財源は、国からの補助金と学生からの授業料、および寄付、助成などで成り立っている。3つの機能の重点バランスは、国公立と私立で大きく違う。また、大学ごとに設定した大学機能の目的によって変わってくる。一部の国立を中心とした高度研究拠点を目指している大学以外の大学は社会から何を求められているのか。高度な研究者を輩出するにせよ、専門技術者を輩出するにせよ、一般企業人材を輩出するにせよ社会で活躍し社会に貢献する人材になるよう教育する機能が求められている。しかし、大学は研究機関であると声高に教授会で断言し、自身の研究のみに没頭し、教育力を高める努力を怠る教員が多数を占める大学が多いことも事実である。高度かつ先進的な研究を継続的に行うことは大学教員として当然の役割であると同時に、その研究から産み出された知見を人材育成という観点で学生の成長のために還元することが大学教員に本来求められていることである。そして、学生を社会が求める人材に育成する能力、教育力が求められているのだ。

しかし、採用基準、教員審査、人事評価査定制度において重視されていることは、まずは学位、研究業績、次いで教育実績、大学行政実績である。ここで課題としている人材を育成する力である教育力については、評価方法が困難なため教職経験量による評価となる場合がほとんどである。つまり、教育力が評価できないまま大学教員として採用される。FD制度の強化や学生による授業評価、教員同士の授業参観によるピアレビューなどの実施は進んでいるものの人事査定制度に教育力を測定し反映できている大学は少ないため改善が見込みにくい。さらに加えると、大学院を卒業し社会経験なく大学教員になり、社会と隔絶された世界で生きてきた教員に社会ニーズに合致する社会人育成力を求めることはそもそも困難である。

以上、組織と人の面から大学における課題を論じた。これらの課題解決には、組織体としての機能不全解消と大学教育の質の改革を求めていかなければならない。

 

2.好循環大学に共通するマネジメント

大学を取り巻く環境が急激に変化するため、国内の大学は変革を余儀なくされているが、大学の組織・人の課題が多様に内在しているため、変革がなかなか推進できないということをこれまで説明してきた。ここからは、より良い大学に変革するためには何が必要でどう変えていかなければならないかについて論じていきたい。まず、有名ブランド校、優良校と外部評価されている学校の共通点を抽出する。そして、その共通点を他の学校に取り入れるためのマネジメント手法にモデル化する。最後に具体的な変革手法例について説明していく。

 

2.1.好循環大学の共通点

筆者は、1987年から25年間に渡り教育機関のコンサルタントとして200以上の大学改革支援に外部という視点から携わってきている。また、2011年より学校法人三幸学園に所属し、東京未来大学担当理事として内部の視点で大学の改革推進も行っている。外部から見える大学課題と内部から見えるものは違っているが、まず、筆者の経験から、外部視点で見てきた「好循環大学」経営事例を基に整理をしていきたい。

外部の視点から多くの教育機関の支援をしてきた中で、優良校として外部からも内部からも評価されている学校に共通しているポイントが見えてきた。ここでは、大学経営をモデル化し4つの機能に分類し説明する。①経営(教育サービス提供者)、そして教育サービス受益者である高校生、在学生、卒業生に対して行う②入口サービスと③中身サービスと④出口サービスの4つの機能である。

大学経営を改善するために、①の経営機能としては、中期目標計画策定、財政強化、学部・学科開発、組織・人事制度改革、キャンパス戦略策定、施設設備投資など様々な経営改革を実施する。②の入口機能としては、募集戦略策定、募集広報強化、入試戦略などの改革を実施する。③の中身機能としては、教育改革を行うためにカリキュラム改革やFD強化、学生サービス強化、などを行う。そして④の出口の機能としては、キャリア支援強化、産学連携、卒業生支援強化などを実施する。しかし、それぞれの各種機能を強化するだけでは、大学という大きな組織の改革が進むことはまれで、多くの場合成果が表れるまでに20年以上の期間がかかる。

しかし、大学経営モデルを俯瞰してみた場合、優良校に共通しているポイントは、各個別の機能の強さもさることながら、理念による一貫性を持たせることで各機能が融合し相乗効果が高まり、大学全体としての魅力が明確で全体としての強さがあるということであった。これは、機能的な強さというより、理念体系に基づく人・組織の情緒的、感情的側面の結束力や一体感の強さや、各人のモチベーションが高められ、それぞれの能力が融合され組織が活性化することによる推進力の強さであることが分かってきた。

 

(1) 経営機能側面

そもそも苦難を乗り越え、学校をあえて創設したのはなぜなのか。特に私立学校は、創設者の価値観を高邁な理念として掲げ、その理念に共感した寄付者とその理念を実現したい教職員が集まることによって初めて設立される営利を目的としない公共機関である。大学には、設立に至った理由・志(建学の精神)が必ずあり、他の学校とは違う教育の根本的な方向性を示す教育の理念がある。教育理念を実現するためには、まず理念を体現する理想的な人材とは何かを決定し、その能力があると評価できる人材に学位を授与するという方針(ディプロマ・ポリシー)を決めなければならない。その学校が理想とする人材像を輩出するためには、理念に共感し成長したいと願う入学生を募集するための方針(アドミッション・ポリシー)を決め実行しなければならない。そして、その学校が理想とする人材像を輩出するためには、理念を実現する具体的な教育の方針(カリキュラム・ポリシー)を決定し実行しなければならない。つまり、抽象的な理念を入口・中身・出口に分解し具体的な方針そして行動として具現化していくのである。

 

(2) 入口機能側面

優良校に共通していることは、アドミッション・ポリシーの共有・浸透・共感が募集に関わる教職員になされ、判断基準も明確で、募集行動に反映されているため理念に合致する受験生が応募すると〝募集する手ごたえ〟と〝やりがい〟を教職員は感じる。受験者数の増減や、偏差値の高低だけが手ごたえとなっていないのである。応募する入学希望者も教育理念が明確なため〝学ぶ目的と動機が合致しており期待が高い〟入学生となる。

 

(3) 中身機能側面

カリキュラム・ポリシーに基づき教育内容が体系化されていると、在学生は〝学ぶ意欲を持ち、学ぶ楽しさを感じ、学び成長した自分に自信をもつ〟ことができるため成長が促進される。教員は、教育の方針が明確なため教育の方法を方針に沿って構築し、日々教授していく。そうすると理想とする学生像に向けて成長していく在学生に触れ〝教える醍醐味を感じ、手ごたえを感じ、教授する楽しさ〟を感じるため日々努力を重ねる。

 

(4) 出口機能側面

ディプロマ・ポリシーが明確だと在学生は、〝学んだ効用や実利に満足〟し理念を体現する人材に成長する。教職員は、理念を体現する人材を輩出できるため就職先から評価を得ることに〝手ごたえ〟を感じる。このように、大学の各機能を分担している教職員が同じ教育理念を実現するために同じ目的・方向に向かって行動し、その成果に手ごたえと感じやりがいを持って日々を過ごしている。それが好循環校に共通しているポイントであった。

全教職員の行動が好循環し組織としての相乗効果を高めている学校は、同じ目的に向かっているため〝場の信頼感〟が高く、全教職員が〝主体的に仕事に参画〟し互いのコミュニケーションも活性化し個々人のモチベーションが高い職場となっている。この循環が一度始まると、独自性が生まれ、大学利害関係者から評価されブランドが形成されていく。そして、長い期間を経て、優良校としてのポジションを築いていたのである。

 

2.2.ミッション・ビジョン共有型のエンロールメント・マネジメント手法について

優良校の例を基に大学組織におけるマネジメント手法について論を進めたい。優良校は、教育理念に基づく競争優位な独自性ある魅力的なサービスを提供することを目的とし、教育理念に基づいて学生募集、入学者採用、在学生教育、在学生サービス、人材輩出、卒業生サービスに一貫性をもたせている。大学の使命(ミッション)、教育の理念を実現し、大学の理想像(ビジョン)に向かうために、「エントランス・マネジメント(学生募集強化・入学管理)」、「エデュケーション・マネジメント(教育・学生サービス強化)」、「キャリアデベロプメント(キャリア開発・就職支援・人材輩出)」に一貫性をもたせて管理・強化している。具体的には、教育理念を内外に宣言・広報し、理念に共感する入学希望者を募集する。求める人材像(アドミッション・ポリシー)に合致した入学生を採用し、教育理念に基づく教育・学生サービスを行う。そして、全学が一丸となってディプロマ・ポリシーに基づく人材育成を行うことで、理想とする人材像を輩出し、社会に貢献する。そして卒業生の生涯に渡ったサービスを提供することで大学の付加価値を高めるマネジメントが確立されている。これは、ミッション・ビジョンを共有し理念に一貫性をもたせ大学を運営していくエンロールメント・マネジメント手法であり、大学関係者のモチベーション・マネジメント手法といえる。(図表2)また、多くの大学に共通する組織課題を解決するために有効な手段となりうる。

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2.3.好循環大学に変換するためのポイント

大学では、教育理念が言語化されている。しかし、その理念がお題目として掲げられているに過ぎない大学が多い。大学を取り巻く環境が急激に変化していく中で、大学関係者が一丸となって共通の目的に向かって変革行動をするためのポイントは以下となる。これは、大学変革コンサルティング手法の一例である。

 

  • 10年後、20年後の大学を取り巻く環境を共有することで、大きく変革していく必要性を共有する

あえて長期の未来予測の共有が有効である。短期間の環境予測では改善計画に留まる場合が多い。また、長期予測を行うことで現状のままでは淘汰されてしまうという危機感の醸成へとつながる

 

  • 建学の精神と理念体系の再構築を参加型で行いミッションを策定する

時代背景の中で大学を創設した意義・理由・志を史実に基づき再確認し建学の精神を現代の言葉に再構築することで、大学存在の意義や教職員としての志を再燃することができる。建学の精神に基づき、教育の根本的考え方である教育理念を現代に再構築する作業を参加型で実現することで「教育理念」を単なるお題目から〝我が事化〟していく。教育理念に基づき、一貫性をもってアドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーを再構築する。抽象的な理念が、より具体性を持って入口、中身、出口に反映されることで行動指針として現実味を帯びてくる。そして、ミッションを策定する。ミッションの定義は、建学の精神を継承しつつ、時代が変わっても、永遠に変わらない本学の存在理由であり、そして社会的に価値を提供するために普遍的に継承していくべき信念とし、長期的視野での他大学との差別化要素となりうるものとしている。理念体系を再構築するだけにとどまらずミッションを策定することで、大学の根幹となる価値観が構築される。

  • 現状分析を行い現状の課題を明確化する

現状の大学の課題を明確化するために各種データに基づいて競合大学との比較分析、強み弱み分析などを行う。また、現在保有している大学資本を確認することで活かしていくべき強み、克服するべき弱みを確認する。

 

  • 期限を決めた大学の理想像(ビジョン)を構築する

20年先の大学を取り巻く環境を共有し、ミッションを策定した後にビジョンを構築する。

ビジョンの定義は、期限を設定したその時点でのミッションを実現する本学のありたい姿・将来像・理想像とする。大学の構成員がその姿をありありとイメージができ、意義を強く感じ、ワクワクするものであり、個々人が自発的な努力をする方向性を明確に示すもの。かつ顧客・外部関係者を惹きつけるものとする。ミッションなしにビジョンを構築すると方向性が定まらずに声の大きな者のビジョンになってしまうため注意を要する。ミッションの延長線上にビジョンを構築する。

 

  • ビジョンを実現するための戦略・中期目標計画を策定し実行計画を策定する

ビジョンを実現するための道筋として、戦略の策定、具体的な中期目標を策定する。また、中期目標を達成するための実行計画を策定することで行動化が可能となる。この目標・計画は、大学の部門毎、部署別にブレイクダウンした計画として策定し、最終的には個人目標まで設定をしていく。バランスドスコアカードを大学経営用に応用した手法で、統合的な目標管理・行動管理を行っている大学もある。

 

  • 実行評価計画を策定し成果の共有と計画の修正を継続的に実施する

目標と行動計画は、期限を決めてその達成状況、成果をチェックする。その際、成果について評価するフィードバックループを構築することが重要である。小さな成功体験を称賛し、未達成の計画を修正し、好循環を生み出していくことが肝心である。

上記の手順を進めるにあたっては、教職員が参加し〝我が事〟として取り組むことが必要である。全教職員が、危機感を持ち、創設時の創業者の志に思いを馳せ、現在の強み弱みを直視し、未来のビジョンをワクワク構築し、そのためにどんな目標を設定し、行動計画化していくかを〝我が事〟として取り組んでこそ、モチベーションがあがり主体的な行動へとつながっていくのである。一連のプロセスは、教職員が同じ志をもち、一丸となり、同じ目的に向かってやりがいをもって行動していく場を作り出していくことを目的としている。

 

以上の手順を進めても組織の変革は、容易ではない。伝統があり危機感が薄い組織の場合〝改革の旗頭である新組織を発足させ教員採用基準の変革による小さな成功体験を創出する〟という手段を講じる場合がある。大きな組織を変革するときに使われるトリムタブ効果を活かした手法である。大型船の舵を切るトリムタブから命名されているが、実現可能な小さな改革から始め、その成果によって大きな組織を動かすという手法である。

大学の場合、改革の方向性が決まっても伝統的な大学の場合、組織改革・風土改革、教職員の意識改革、行動改革を進めることは困難で時間がかかる。トリムタブとなる新組織を立ち上げることで大組織を動かす手法がある。新学部を旧来の教授会主導で進めるのではなく、大学改革の主体者が設置するのである。教員採用基準、教員採用方法を新規で構築し、理想的な教員を採用する。教員の意識を変えるのではなく、意識の高い教員を採用するのである。新ガバナンス体制、新人事制度、新教育制度、新運営制度を設定し小さな変革実行組織としてしまうのだ。その新学部が改革成果を上げ、他の組織への波及効果を高めることで大学全体の変革の推進を行う。その後、大規模組織が動き始めると、短期間における小さな成功体験を実感できるように設計することである。長い期間を要する高い目標を設定し効果がなかなか出ずに中倒れするのではなく、すぐに実感できる小さな目標を設定し、達成した成果を学内で共有・称賛することが、次なる目標に向けてモチベーションが高まり行動を促進させる原動力となる。

 

 

  1. 東京未来大学のエンロールメント・マネジメントの効用と好循環に向けた取り組み例
    • 東京未来大学概要

これまで、外部の視点から大学組織のモチベーション・マネジメント例について触れてきた。ここからは、内部の視点から一大学を例にとって論を進めたい。

東京未来大学は、平成19年に足立区に設立され、こども心理学部(通学課程入学定員240名、通信課程入学定員150名)と2011年設置のモチベーション行動科学部(通学課程入学定員100名、通信課程入学定員100名)の二学部体制の若く小規模の大学である。設立母体は、学校法人三幸学園である。三幸学園は、昭和60年に設立され、以降、国内に専門学校を44校、通信制高校を開設し、大学、短大および海外にも専門学校を展開しているほか保育事業を運営している大規模法人である。

東京未来大学は、大学が乱立し18歳人口が減少している時代に後発の新設大学として生まれたため、伝統的な大学とは一線を画した特色を持ち、差別化された魅力を構築できなければ存在価値がなく、生き残ることが困難なポジションである。しかし、2012年現在、完成年度を迎えているこども心理学部の定員は充足し、在学生満足度が高く、退学率が低く、就職率97.7%と評価が高い。

東京未来大学の理念体系は、上位組織順に三幸グループ、三幸学園、各専門学校、東京未来大学、各学部、各学科、各専攻へとブレイクダウンされて構築している。上位組織ではより大きく、抽象度が高い概念とし、最小単位の組織では明日からの行動指針となるように設計されている。ちなみに東京未来大学のミッションは「教育・研究・社会貢献機能を通じて、人を活かし、世の中の困難を希望に変える」としている。ビジョンは、「教育・研究・社会貢献機能を通じて、人の未来を、日本をそして世界を明るく元気にする」。教育の理念は、「技能と心の調和」、教育の目的は、「高度な専門知識・技能、人間性豊かな心、高い意欲を持ち続け、自ら考え、自ら行動することで、社会に貢献する人材を養成する」とし、その後、アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーと言語化され、続いて学部・学科・専攻へとブレイクダウンされている。

以下に東京未来大学の特色を紹介する。

 

  • 伝統的な一般大学との違い

東京未来大学は、新設のため知名度も卒業生実績も少なく、偏差値も高くない小規模大学である。

ミッション・ビジョン、教育理念を実現するために特に心豊かな人間教育に重点を置いている本学では、伝統的な大学と以下に代表するような特色づけを行うことで差別化を行っている。

  • 40名以下の少人数のクラス制教育
  • 少人数クラス単位ごとに専任教員とキャンパスアドバイザー職員のダブル担任体制で学生指導
  • 全教職員参加型の入学前教育にて大学生活指導、教職員と学生の名前を互いに覚える、挨拶マナー指導、アクティブラーニングなどの受講態度形成、社会人基礎力研修開始、クラスチームビルディング、目標設定、校歌の練習などの3日間研修を実施
  • 全教職員による学生の挨拶指導の徹底と学内の全ての場所で社会人マナー教育の徹底
  • 全ての授業開始時、終了時に起立礼を励行、教室の掃除の徹底
  • コピー研修(7つの習慣)の学生向け研修内容をカスタマイズして実施
  • 各種行事(入学式、大学祭、体育祭、プレゼン大会、卒業式、謝恩会など)に全教職員が参加し、行事内容と授業を連動させることで社会人基礎力教育を強化
  • 専任教員全授業におけるアクティブラーニングの実施
  • エンロールメント・マネジメント局を設置し入学前から卒業後まで一貫した学生サービスの実施
  • 非常勤教員を含む全教職員で年2回の全体会議にてミッション・ビジョン・情報共有、研修の実施、全職員は別途年2回の研修の実施

などの特色を持っている。研究のための大学ではなく教育のための大学、教員のための大学ではなく学生の成長のための大学として全教職員が同じ意識をもって行動をしている。

 

  • 東京未来大学のエンロールメント・マネジメントとモチベーション・マネジメント例

次にエンロールメント・マネジメント、大学組織の活性化をモチベーション・マネジメントの観点で東京未来大学の実例を説明する。

  • ミッション・ビジョン、理念体系の構築と中期目標・戦略・計画の構築そして浸透・共有

「好循環大学に変換するためのポイント」で示した手順に従って、大学の進むべきビジョン・目標を明確化。モチベーションを高めるためには、ビジョンや目標に対して〝我が事化〟として捉え、本学組織に所属していることに誇りを感じ、組織の将来の方向性にワクワクできるように浸透する場づくりが重要である。全教職員が一同に会する場を設定し、〝危機感の醸成→所属へ誇り→現状の課題の認識→ビジョンへのワクワク感→ビジョンに向かう目標・計画に対するコミット→行動化〟という手順を追って浸透・共有設計を行う。東京未来大学では年二回全教職員が参加し共有・浸透する場を設けている。

  • 教職員の意識改革

伝統的な大学の教職員の意識改革は困難を極めることが多いが、教職員がそれぞれ持っている仕事の目的を高次の目的まで昇華していくことで組織としての方向性を明確にし、モチベーションを高めることができる。ビジョンや目標に対するコミットができていれば、高次の目的に対して共感が得やすい。個人的な仕事の目的を低次である〝①大学教職員という高い地位と安定と給与を得ること、研究のみに集中し業績を高め上位校に転職すること〟から〝②学生を教育し成長の最大化に寄与する、大学の発展や貢献に寄与すること〟さらに〝③自身の関わりによって学生が成長し卒業後も生涯幸せに生きることに貢献すること、学生が成長し卒業後社会貢献することで世の中が良くなること〟という高次の目的まで様々であるが、より高次の目的に教職員をコミットできれば、意識改革が実現するだけでなく組織体としての力が高まっていく。本学では、③の高次の目的へのコミットを推進している。

  • 効用と成果の実感、体感

仕事の目的を高次のレベルに設定することによる意識改革は、実感として体感ができなければ継続しない。東京未来大学は、より高次の仕事の目的を体感できる仕組みを導入している。教職員は、入学前教育研修、入学式、プレゼン大会、学園祭・体育祭、卒業式、謝恩会などの行事には全員参加が義務となっている。例をあげると、入学前教育の目的を共有したのち、3日間の研修を全学で実施する。入学前の普通の高校生に研修を行うことでみるみる成長する様を全員が実感し、その成果を入学式で体感する。入学生全員が学生生活の目標を持ち、目を輝かせ、一糸乱れぬ礼から始まる式典を執り行う様は、どの教職員の目から見ても学生の成長実感を得られる最初の瞬間である。 また、三幸フェスティバルと称している体育祭は、通常授業でチームビルディング、目標設定などの体育祭と連動した指導を準備期間に行うこともさることながら、三幸フェスティバルウィークと称した全学を上げた指導体制を敷き全教職員が指導に当たる。クラスごとのパフォーマンスなどがあり、クラス全員が一つの目標に向かって一丸となり仕上げていくサポートを行う。フェスティバル当日、教職員は熱気と感動に包まれ学生の大きな成長を涙とともに体感する。圧巻なのは、卒業式、謝恩会である。本学では、あえて謝恩会と称し学生が教職員に感謝をする会としている。本学の人間教育のひとつとして「人に感謝し、感謝される人材育成」というものがある。入学時から「感謝サイクル」と称した人間教育を行っているが、その集大成が謝恩会である。学生自ら企画・運営し、お世話になった教職員、そして学食職員、施設管理・掃除担当の従業員に至るまでの大学関係者を対象とし、サプライズよろしく感謝の催しが開かれる。入学前から学生の成長に苦慮し、日々格闘している教職員や関係者にとって、これほど学生成長の喜びと感動を涙で体感できる日はないだろう。教育者のみが感じることができるこの本質的な仕事の喜びを毎年実感できるからこそ、高次の目的にコミットし大学のビジョンに向かってまい進できるのである。

さらに高次の目的へのコミットを目指して、卒業生が、やりがいをもって働き、社会貢献し、幸せに生きているという実感を得られるように今後の取り組みを展開していきたい。

  • 教員採用と人事評価

教育重視の方針を掲げている東京未来大学では、人事・評価制度もその方針に沿ったものとなっている。教員採用基準は、学位、教育・研究業績は最低限の基準としているものの、最も重要視しているのは、教員の人間力と教育力があるかどうかである。人間力も教育力も数値化した評価は困難だが面談などを通じて確認をしている。面談時に見える教育に対する姿勢、過去の教育の成功体験、志、今後の教育方針から人間力、教育力の可能性を判断し評価している。今後は、模擬授業による授業力の評価も導入していきたい。

教員人事評価は、学生のための指導配分に重点配分しており明確なメッセージとなっている。学生による授業アンケート結果、アクティブラーニング実施状況、教員同士による授業のピアレビューやFDなどの改善活動、行事などの学生指導貢献などを重視している。ビジョンや理念に掲げていること、実際の行動、評価などを一貫させることで、がんばっている教職員、成果を高めている教職員を称賛し評価することで組織としての方向性を明確にしている。

  • 組織のガバナンス体制と風土

本学の場合は、創業者である理事長に権限が集中しており、ガバナンスは明快である。大学の意思決定も少人数での検討を毎週行い、スピードを重視し判断を行っている。組織風土としても、検討に時間をかけ合議を得てから実行するという風土でなく、〝まずはやってみる〟そのうえで修正・改善を加える。ダメならやめるという風土が培われている。また、会議体の設計を十二分に行い、効率的に全員の意思疎通が図れる体制を築いている。各教職員が主体的に課題を考え提案がもたらされるよう「新規事業提案」「業務改善提案」「自己申告」を行える制度を設け、各提案について実行する、しないの決定を即時に行っている。教職員が主体的に大学運営にかかわっているという実感が持てることが組織の風土を活性化する。

  • 権限の委譲と責任の明確化

ガバナンスの確立と各教職員の主体的な運営への参画のバランスが重要であるとともに、権限の委譲と目標の設定、責任の明確化を推進することが組織の活性化を促す。権限の範囲を明確にし、権限を委譲すれば決定と実行のスピードが上がる。目標と期限を設定することで成果や評価を可視化できるため責任を明確にできる。権限を委譲された者は、主体的に目標に向かって行動し経営のスピードが上がるだけでなく大学経営者としての成長が促される。

  • エンロールメント・マネジメント体制の構築

大規模大学にありがちな分業縦割り組織では〝自分勝手な個別最適に偏り、全体や他部署は無関心、全体最適には反対する風土〟が改革を阻害する。縦割り組織の弊害を排除するためにプロジェクト型の検討組織を作り風土改革を実行する大学がある。また、大学全体を俯瞰して見渡し、全体戦略を構築できる部署を創設している大学も増えている。

また、事務職員のほとんどは学生と接しない仕事であり、教員も一部のプロセスの学生としか接しないため学生の成長には無関心である。

本学では、全教職員が入学前から卒業後まで一貫して学生に関わり、ミッション・ビジョン、理念を実現するエンロールメント・マネジメント実践型の組織体制にしている。全教職員で、募集活動(高校訪問、オープンキャンパス、入試など)から学生と関わり、入学式から謝恩会までの全プロセスに関わり、卒業後も関係性を担保する。入学前から卒業後まで一貫して関わることが教職員のやりがいにつながっていく。本学の事務局は、エンロールメント・マネジメント局と称している。専任教員だけでなく事務を担う職員も入学前から卒業後まで一貫してサービスを提供し学生を成長させるという意識づけが仕事の中身を活性化し大学全体の成果を高めていくのである。

  • 教育内容改革

先に述べた世界のトップ大学が中心となって進めているNTERNET EDUCATIONは、急激な勢いで拡がっている。本学でも開学当初より通信教育課程を併設し、INTERNET EDUCATIONの仕組みと環境を整えてきた。学士課程の通信教育におけるINTERNET EDUCATIONの活用だけでなく、教員免許更新講習におけるINTERNET EDUCATION、モチベーション行動科学部の通信教育課程における社会人を対象としたINTERNET EDUCATIONへの進化に向けて開発を急いでいる。

知識ベースの教育はINTERNETによって教授するのが当たり前になってくる時代が訪れ一方ではリアルな教室を持つ学校での教授方法とその価値が変わってくる。近い将来、〝知識〟はINTERNET EDUCATIONで世界最高の教育者によって無料で学べるため、大学の授業で今までと同様の知識伝達型の教育を行っても存在価値はない。INTERNET EDUCATIONで〝知識〟を学び、リアルな教室やゼミ室を持つ大学では〝応用力、実践力、知恵〟を身に付ける教育へと変革をしていかなければならない。そのためには、教員にとって聖域である授業に踏み込み改革をする必要がある。本学では、全専任教員が全ての授業でアクティブラーニングを実践するよう推進している。アクティブラーニングは各学校で様々な取組がなされているが、本学は独自の方法をコンサルタントのサポートを受け開発し実行中である。環境変化に対応するための授業改革ではあるが、授業を行い学生が私語なく前向きに受講し、学生同士で議論を深め、学生の成長が最大化できる授業ができれば、教員の自己効力感は高まり、教える醍醐味を感じ、さらに良い教育をしたいという好循環が生まれる。どれほど有名でブランドのある大学でも、次世代では教育力をもって学生成長成果を最大化できなければ生き残れないだろう。

 

  1. 大学組織のモチベーション・マネジメント

大学改革を外部の視点、そして内部の視点から様々に論じてきた。大学を取り巻く環境が急激に変化していく中で、組織全体が変革を推進するためには、構成員が共通した高い目的をもち、理念の実現のために、日々モチベーション高く行動していくことが必要である。

大学組織のマネジメント手法として、入学前から卒業後まで理念の実現のために一貫してマネジメントしていくエンロールメント・マネジメント手法。そして、教職員のやりがいを理念に基づいて一体化し高次の目的を実現するために行動化していく好循環大学のマネジメント手法について整理をしてきた。いずれにしても、組織は個人の集合体であり、個人のモチベーションが組織の活性化につながり、その相乗効果が組織の変革を推進していくということに変わりはない。企業に代表される営利を目的としステークホルダーへの還元が評価とされる組織におけるモチベーション・マネジメントは、様々に実践され効果を上げている。これに対して、大学組織は営利を目的としないため、目標管理が可視化しづらく、目標達成までの期間が長期にわたり、成果が実感しづらい。また、組織の目的は、理念の実現のために教育・研究・社会貢献活動を行うことであり、教職員のモチベーションのマネジメントはより高次のものとなる。

本稿では、理念共感、つまり高次の目的共感型のモチベーション・マネジメント手法の一例を提示し、大学改革を外部・内部の視点から論じてきた。大学改革として様々な手法を実践してきたが、本論では、理念共感、つまり高次の目的共感型のモチベーション・マネジメント手法の一例として話題提供を行った。

以上

<引 用 文 献>

国立社会保障・人口問題研究所(2012).「日本の将来推計人口」

寺裏誠司(2008). 「『学部・学科改変をどう進めるか』学科分析から見たマーケットトレンド」 リクルートカレッジマネジメント152号,p.5-25.

寺裏誠司(2010).「学科のマーケットトレンドと学部・学科開発」 リクルートカレッジマネジメント162号,p.5-25.

独立行政法人 労働政策研究・研修機構(2011).「入職初期のキャリア形成と世代コミュニケーションに関する調査」

産経新聞社と駿台教育研究所(2012).「時代が求める人材像」調査

 

 

 

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